インプラント治療について
歯科用インプラントとは
歯を失った場合、従来はブリッジや入れ歯などの治療法がおこなわれてきました。しかし、ブリッジでは、健康な歯を削ったり入れ歯では違和感があったりします。
そこで注目されるようになったのが歯科用インプラント治療です。
歯科用インプラント治療とは、失った歯の顎の骨に、チタン製の人工歯根を埋めます。するとその人工歯根は顎の骨と接合する(このことをオッセオインテグレーションと云います)ので、それを土台として人工の歯(義歯)を被せる。これがインプラント治療です。
このオッセオインテグレーションタイプのインプラントは国際的にその安全性と高い成功率が学問として立証されております。


インプラントの構造
インプラントの一番のメリットは、人工歯根が顎の骨に固定されているので、生まれ持った自分の歯(天然歯)とほとんど変わらない感覚でしっかり噛んだり、会話を楽しむことができることです。
そのために「第三の歯」とも云われています。こうしたことから、「健康な歯を取り戻したい」、「QOL(生活の質)を向上させたい」という要望に応える治療法として、インプラント治療は人気を集めています。
最近のインプラント治療
1965年人工歯根にチタンを用いる最初の歯科インプラント手術が、スウェーデンで行われて以来50年近くが経ちます。日本でも30年以上の実績がありその技術的進歩も飛躍的発展を遂げ続けています。
最近では、手術も簡単(ガイドシステム)になり、治療期間も短くなりました。またインプラントを埋め込むために必要な骨の幅や高さが不足している場合GBR(歯槽骨増生法)、サイナスリフト・ソケットリフト(上顎洞拳上術)などの骨増生・再生技術の向上にともない、骨が不足している方もインプラント治療が可能になりました。
インプラントとブリッジと入れ歯のメリット&デメリット
治療法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
インプラント |
・長期間のかみ合わせの回復が期待できる ・失った歯の本数に関係なく治療ができる ・自分の歯と同じようにかめる ・見た目も自分の歯と同じような外観で審美性に優れている ・健康な歯を犠牲にする必要がない |
・治療期間が比較的長い ・外科的な手術を行う ・健康保険がきかず治療費が高額になりやすい ・適応とならない場合がある |
ブリッジ |
・かみ合わせの回復が期待できる ・治療期間が比較的短い ・健康保険が適用され金属製ブリッジなら安価で済む |
・両サイドの健康な歯を削る必要がある ・土台となる歯に負担がかかりやすい ・失った歯の数が多いと治療できない |
入れ歯 |
・手術を必要としないので誰にでも治療を受けやすい ・健康な歯を犠牲にする必要がない場合がほとんど ・健康保険が適用される素材の場合は安価で済む |
・取り外しての手入れが必要不可欠 ・数年ごとに作り替え・調整が必要となる ・安定したかみ合わせを得られにくい ・装着時に違和感を覚えやすい ・自然な外観を損ねることもある ・発音が思うようにできない場合がある |

インプラント

ブリッジ

入れ歯
治療医選びの重要性
インプラント治療は骨に直接アプローチするため、医師の技術力や経験が非常に重要です。
神経や血管への配慮はもちろん、噛み合わせ全体を考慮した診断が不可欠であり、正確な知識と豊富な症例経験を持つ歯科医師を選ぶことが、安心・安全な治療への第一歩です。